講演会のこと


この本を私が買ったのは
さて
いつのことだったのかも
どこで買ったのかも
どんな内容だったのかも
正直覚えていません。



でも、今うちの本棚に並んでいるということは
少なくとも大学に入ってから買ったものということ



堺市で行なわれたその講演会で
お耳は遠くなっているし
腰も曲がっておられる
小さな小さな体の
88歳の初女さんは

でもしっかりと自分の足でステージに
登られ、
はきはきと
お話をしてくださいました。


初女さんは青森県にある森のイスキアで
お料理を通して
人々の心を
癒してこられた方です。
おいしいものは
人を元気にする。




思うに
誰にでも少なからず
悩みや迷いや苦しみがあるでしょう?

それは
気持ちの持ち方や考え方次第で何とかなるとわかっていても
できないことがあることも
きっと誰もがわかっていること


だからこそ私はそこで
イチイチ支えてくれる人がそばにいて欲しいと
心から思う。
そして、私も誰かにとって
イチイチ支えてあげられる人になりたいと思う。


自分で解決できないなんて
弱いと言われればそうかもしれないけど


そうじゃなくって


本当に気持ちが動くときって
行動するときって
最後は自分の意思でしかないのだから。


そこに至るまでに
大事な人を
やわらかく見守れる人になりたい。
だって人間なんだから。
支えあわない手はないんじゃないかな。
それから私も
できればおいしいものをそっと差し出してあげたい。




初女さんのお話には
しっかりと根がはっていた
講演をしておられるときも
来場者からの質疑応答のときも
どんな問題でも
答えはしっかりそこに根をはり
ぶれてなくって
まるで大きな木みたいだった。


●待つことの大切さ。
・勉強しない息子に、勉強しろしろと言い続ける。反抗期にはきっと言われたらもっとしない。
 だから、待ってみる
うつ病のご家族に、早く治ってと献身的に願い、行動する。その気持ちがありがたくもあれば辛いかもしれない。
 だから待ってみる
・結婚しなければいけませんか?しなければいけないからするのではなく、したいと思うまで待ってみる
・疲れていてやる気がしない。毎日眠い。何事も長く続かない。
 寝てみましょう。眠いままだとやる気はでないから。寝てみて、そこから考えましょう。


私たちはいつもすぐに出る答えを求めがちだけれど
そうかそうかそういうことだ
大事なのはそういうことだ。


お料理の煮物は7〜8割のところで火を止めると、そこから自然に味が染み込んで、食べるときちょうどよいお味になるのです。
さいごまで味をしっかり入れると、くどい味になってしまう。
少し休むことで
見えてくることやうまくいくことがたくさんあるということ。



●あたし、めんどくさいって言葉を聞くと悲しくなるの
なんでも簡単に、適当に。
最大の力を出さずに適当にやってしまったら
これぐらいでいっかでやってしまったら
そう、それ以上成長はないのです。


日常生活でもそう。
昔できていた事が、できなくなっている時代。


めんどくさいことも毎日やっていれば、普通にできる日が来る(佐藤初女さん)
=意識することで無意識が生まれる(森田久美先生)
あ、つながる。



大震災の復興に関しても
起きてしまった現実を受け止めて
さて、これからみんなでどうするべきか
何ができるかを
考えて動くことが大切とおっしゃっていました。
わかっているけど、動けなくてむずむずすること多くあります。
改めてみんなで支えあうことの重要性を再確認したのでした。



初女さんは
そんなこんないろいろを
ゆっくりと
丁寧にお話してくださいました。




偶然にも
私たちが座っていた後ろに初女さんが座っていて
握手してくださいました。
ayumiさんが私のことを
お料理を教えていると初女さんに紹介してくださったので
初女さんは手を握って私に
『おいしいの作ってね』といってくださいました。

初女さんは両手で握手してくれます。
ゆーっくりにぎって最後にぎゅっと強く。


おいしいの作らなきゃなと
作れるようにならなきゃなと
思いました。




いつ買ったかわからない初女さんの本。
まさかこんな風につながるとは
思ってもみなかった。
いつか買って読んだときと
全く違う気持ちで
さて今日から読んでみよう。



この日は他にも
思いがけないところで
あっと驚くつながりが発見されたりで
素敵な出会いに
これからを先の交流を期待しつつ

やっぱり、出会うべく人は出会う
つながっているのだなと
じんとする。




素敵な講演会に連れてってくださったayumiさん
ご一緒してくださったtomokoさん、kumikoさんありがとうございました。